”サッカー×国際協力”を生業にしたい20代女子の挑戦記録

サッカーが大好きで、国際協力に関心のある20代女子の挑戦を書き連ねます。

数字で表せないものの価値について考える

 

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ちゃお!さとみです。

 

現在、私はボスニア・ヘルツェゴビナにて留学&インターンをさせてもらっています。

私のインターン先は「マリモスト」という”民族和解”をテーマとしたスポーツアカデミーを運営するNGOです。

 

今回は、直接活動に関する内容ではありませんが他の場所で得た学びを自分の活動に落とし込んで考えたことを書きます。

 

実は今月3月中の2週間、私はNYの国連本部を訪れていました。

CSW(Comission on the Status of Women)というカンファレンスに参加するためです。

 

こちらのカンファレンスは3月8日の国際女性デーに合わせ、毎年3月中の2週間で行われます。

世界中のNGOから参加者が国連本部に集まり、ジェンダーについて各国・各地域の現状やそれぞれの取り組みを共有します。

その期間中、各国の政府代表も会議を行い国連発信という形で世界共通のジェンダー課題への取り決めを行います。

そして最終日には、NGO・政府代表、全ての意見を踏まえた形で取り決め文書が発表されます。この公式文書発表をもって会は終了です。

 

 

参加の経緯としては、元々ジェンダーに関心があったのはもちろん、それに加えて今後スポーツを通じた女性支援も活動範囲としていきたいこともあって、スポーツとジェンダーという視点で学びを得たいと思ったことがきっかけです。

 

CSWに参加したことで学んだことを簡単にまとめてみると:

  • ジェンダーに関する問題は本当に幅広く、また一般化できないものであること
  • 参加者が年々増加傾向にあること→ジェンダーに関心を寄せる人が世界中で増え続けている(国連に提言したい意欲がある人が増えている)
  • 普遍的人権主義と文化相対主義の間の線引き、優劣の付け方
  • 定量化できないものの価値(story-tellingの重要性)
  • 各セクター間のコラボレーションの重要性(連携した役割分担の必要性)
  • 若者(次世代)のイニシアチブに重きを置く海外諸国(その点日本は遅れている)
  • 政府とNGOの信頼関係がある海外諸国(日本はNGOの立場が非常に弱い)
  • 世の中的にはプラスなはたらきに見える活動にジェンダー問題は多く潜んでいる(オリンピック等のビッグイベントや経済活動等)
  • ジェンダーに関わる活動をしているほとんどが女性で、その上に立つ政府の官僚のほとんどは男性という力の関係性の見直し
  • "男女の平等”を目指すのではなく”acccess to the justiceの平等”を目指すべき(”平等”の定義をはき違える人が多い)

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と、このように多くの学びを得ました。

 

2週間という短い期間にもかかわらずかなり濃密な時間を過ごしたおかげで得たものは非常に多く、価値のあるものだったと感じています。

 

 

以上の各ポイントについては次回以降、深く触れていきたいと思っています。

 

 

そして、ここからが今日の本題。

 

今回の学びの中で私が特に大きく刺激を得たこと、

それは「数字で表せないものの価値」についてです。

 

CSWではstory-telingの重要性が語られ、本当に多くの一般化できない事例を耳にしました。

これまで自身が重要視してこなかったからこそ、非常に刺激を受けました。

 

そしてなぜ私がこの点に刺激を得たのか。

それは、私が現在活動している団体(マリモスト)の特徴にあります。

 

マリモストの最終的なゴールは「民族和解」です。

しかし、それは果たして数値化・定量化できるでしょうか?

 

皆さんもお分かりの通り、全てを定量化することは困難です。

 

マリモストのように「なにをもって民族和解が達成されたとするか。」

これは指標をもつのが非常に困難なテーマです。

 

このような場合、成果を表す際に数値化・定量化するのが困難なだけでなく、逆に数値化してしまうことで活動の価値を最大化できにくくなります。

 

そこで数値化できる成果よりも、個々のstoryにより活動の価値が生まれます。

 

数値化できない成果では、支持者やスポンサーがつきにくいのではないか?

と考えられる方も多いでしょう。

私も当初はそのように感じていたため、勝手に難しさを感じていた部分がありました。

 

なぜなら、私たちはまだ具体的な数値化できる成果を上げているわけではないためです。私たちが成果として主張しているのは、あくまでもステークホルダー個々のstoryです。

 

しかし、それでも時間を追うごとにマリモストの支持者は増え続けていると言え、それは活動の価値を感じている人が一定数いるということを表しています。

 

このようにたとえ数値化できる成果がないとしても、活動そのものや個々のstoryに価値を感じ支持してくれる人は十分にいます。

 

そして、この定量化できないものの価値については、国連などの国際組織でも、またビジネスの世界でも広く認められていることです。

 

ポストコンフリクトの国における統計調査ではディスカッションや訪問調査が用いられたり、企業のマーケティング調査でもユーザーとの座談会を用いたりしていますよね。

 

企業だけでなく国際協力の世界でも「数字が命」というような思考に陥ってしまうことは少なくありません。

しかし、必ずしも数字だけが全てではないということを頭に入れておくことはどんな分野に携わるうえでも大切だと思います。

(もちろん、適正は考慮されなければなりませんが。)

 

ということで、今回は数値化できないものの価値についてでした。

 

今後も数値化できるものはあるか吟味しながらも、storyに重きを置いて活動に励んでいきたいと思います。

 

 

それでは、また次回。

チャオ!